二項分布の極限がポアソン分布になることを数式変形によりイメージする
二項分布の極限はポアソン分布になります。どういうことだか最初意味がわからなかったので、それをイメージできるように数式を計算してみました。
前回の記事(文章変形編)では、二項分布の例を示す文章を少しずつ変形してその極限がポアソン分布になることを示しました。今回の記事は同じことを数式の変形で示します。
本記事は次の3つの記事の2つ目です。
- 二項分布の極限がポアソン分布になることを文章変形によりイメージする
- 二項分布の極限がポアソン分布になることを数式変形によりイメージする
- 二項分布の極限がポアソン分布になることをグラフによりイメージする
二項分布とポアソン分布は次のとおりです。
- 二項分布
- 母数 (分布のパラメータ)
- (0以上の整数)
- (0以上1以下の実数)
- 確率質量関数:
- 期待値:
- 分散:
- 母数 (分布のパラメータ)
- ポアソン分布
- 母数 (分布のパラメータ)
- (0より大きい実数)
- 確率質量関数:
- 期待値:
- 分散:
- 母数 (分布のパラメータ)
二項分布の確率質量関数
の極限がポアソン分布の確率質量関数
と同じになることを示します。
前回の記事(文章変形編)ではまず というパラメータを導入して、 と読み替えました。数式に対しても同じことをします。
次はやはり前回と同様に を導入して、 を代入します。
この式を変形していきます。
ここで の極大を考えます。
右辺の4つの極限をそれぞれ考えます。
1つ目
2つ目
3つ目( と置いて)
4つ目
この4つを使うと、
ポアソン分布になりました。